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2020年03月09日

読書録「はみだし生物学」ほか

読書録「はみだし生物学」3

著者 小松左京
出版 新潮社

p102より引用
“第一、一方は原子力というとりあつかいの厄介なものをつかって、熱効率三分の一くらいで軸馬力で十万馬力を出すのに、一方はオキアミを食べてこれだけの運動をするのだから、ものすごい。”

目次より抜粋引用
“生命はもはや「自然発生」しないか?
 生命の「書庫」
 バクテリオファージはヤドリバチの夢を見
るか?
 花の下の「変身願望」
 重力と進化”

 日本を代表するSF作家である著者による、
生物に関する話題を扱ったエッセイ集。
他社刊行作文庫版。
 生命発生の根源についてから生殖について
まで、SF作家ならではの科学的視点から考察
されています。

 上記の引用は、一万t級原子力潜水艦とシ
ロナガスクジラについて書かれた一文。
現在の原子力潜水艦の能力は上がっているの
でしょうが、原子力燃料の扱いが大変なのは、
今も変わりないでしょう。生物というものの
システムの完成度の高さに、科学技術がいつ
か追いつけて、より良い世の中になることを
願うばかりです。
 初版は昭和55年とかなり古い作品。書かれ
ている知識や情報にも変化があるでしょうか
ら、新しいものと比べて読むのも面白いかも
しれません。
 今ならば表現規制にあいそうな表現も見ら
れますので、新しい版では文章が変わってい
る可能性がありそうです。

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読書録「QED竹取伝説」4

著者 高田崇史
出版 講談社文庫

p141より引用
“「しかし」崇は奈々を見た。「ニコチン自
体は、三日間で完全に体外に排出されてしま
うからね。あとは脳がその快感を記憶してい
るだけにすぎない。ということは、それ以降
は単純に脳ー意志ーの問題だからね。そう難
しいことじゃないよ……。”

目次より抜粋引用
“竹取の翁といふものありけり
 いとうつくしうして居たり
 はべりけむ身とも知らず
 翁、出でていはく
 おはすらん人々に申給へ”

 博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
シリーズ第六弾。
 新年から馴染みのバーでグラスを傾け合う
主人公たち、以前に関わった事件について話
は及び…。

 上記の引用は、タバコをやめた主人公・桑
原崇の台詞。
ニコチン中毒というか依存は、ただの習慣な
のかもしれませんね。近頃はめっきりタバコ
を吸える場所もなくなってしまい、肩身の狭
い思いをしている人もいるでしょうが、本当
は三日の我慢で済むと思えば、いつでもられ
そうで少しは気が楽なのではないでしょうか。
欲しくなる気持ちをうまくごまかす方法を探
すのが良さそうですね。
 大きく成功する存在には、必ず何か犠牲が
潜んでいるものなのかもしれないと思わせる
エピソードでした。

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posted by 出雲一寸 at 10:47| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする