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2020年02月17日

読書録「腕貫探偵、残業中」ほか

読書録「腕貫探偵、残業中」3

著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫

p66より引用
“「一般的な市民にとって役人の杓子定規ぶ
りは、彼らの常識に馴染むものではありませ
んからね」”

目次より抜粋引用
“体験の後
 雪のなかの、ひとりとふたり
 夢の通い路
 青い空が落ちる
 流血ロミオ”

 街のあちこちに出没する役所の相談窓口と、
そこにいる事務員の記号のような男に持ち掛
けられる出来事を描く、短編連作ミステリ小
説。シリーズ第二弾。
 夕食時のカフェレストラン、食事を楽しむ
客の幸福な時間は、日常生活からかけ離れた
格好の三人組によって突然壊された…。

 上記の引用は、主人公・腕貫男の台詞。
多くの人と公平に接するためには、杓子定規
な態度で臨むのが一番無難なのかもしれませ
んね。少しでも個人と親しくしたら、癒着が
どうとか言われかねないのでしょう。
 神出鬼没で現実の人間かどうかその存在が
不思議な腕貫男でしたが、どうやら役所に問
い合わせたら普通に連絡もとれるようです。
今巻では出番も台詞も多くなった腕貫男、し
かしまだ名前も分かりません。その人の一番
わかりやすい目印がないことが、一番特徴と
なっている気がします。登場人物の多くが特
徴的で珍しい苗字なので、名もない主人公と
の対比がより強く表れているのではないでしょ
うか。

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読書録「犬を飼う」5

著者 谷口ジロー
出版 小学館

p52より引用
“ほら、見てごらんよ。
毛の色だって、かっこうだって、まるで雑巾
がころがってるみたいじゃないか。”

目次より抜粋引用
“犬を飼う
 そして…猫を飼う
 庭のながめ
 三人の日々
 約束の地”

 著者夫婦が愛犬・愛猫と過ごした日々を描
いた、エッセイ漫画。
 年老いた愛犬・タムを連れて、久しぶりに
河原へと散歩にやってきた著者夫婦。足が弱
り始めているにもかかわらず、タムは二人の
前ではしゃいだのだった…。

 上記の引用は、成り行きで飼うことになっ
たペルシャ猫についての著者の良い様。
ひどくない?(笑)。名前はボロと名付けられ
ています、これもひどくない?(笑)。
愛犬・タムを亡くされた後で、新たに動物を
飼うことをためらっておられたところにやっ
て来たボロ、人も動物も出会いというのはご
縁なのかもしれませんね。
 犬と最後まで一緒に暮らすということが、
穏やかに切なく丁寧に描かれています。これ
から犬やその他の動物を飼うことを考えてい
る人には、読んでもらいたい作品です。
 「約束の地」は登山をテーマとした作品、
主人公の背を押す周囲の人の様子は、うらや
ましく思わざるを得ません。
家族というものについて、いろいろと考えさ
せられる一冊ではないでしょうか。

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posted by 出雲一寸 at 15:48| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする