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2020年01月31日

読書録「クラン先生、猛獣を診る(上)」

読書録「クラン先生、猛獣たちを診る(上)」
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著者 ミシェル・クラン
訳  中西真代
出版 早川書房

p26より引用
“現在のわたしを形成したのは、人間同様動
物たち、最も小さな犬ヨークシャーから、シ
ベリアン・タイガーとかアジア象そいった、
自然界の巨大獣たちだ。わたしは彼らに近付
き、彼らを発見し、彼らを治療することによっ
て、自分を人間として受け入れた。というの
は、わたし自身が動物であることを、彼らと
比較することによって発見したからだと、ま
た、わたしは自分の中に、そして、自分と同
じ種に属する人間の中に、動物の持つある種
の長所を見つけることで、われわれ人間の短
所に、よりよく耐えてきたからだ。”

目次より抜粋引用
“虎の顎の中で
 自動小銃から注射器へ
 九官鳥殺し
 ライオンの風邪
 オセロットたちの愛情”

 獣医師である著者による、自伝ノンフィク
ションエッセイ。
 獣医になる経緯から各患畜の治療まで、訥々
と語られています。

 上記の引用は、動物と人の関係について書
かれた項での一節。
まるで違う生き物でありながら、同じ部分と
違う部分を見つけることで、より自分の存在
を見つめることが出来るのでしょうか。人の
都合でしか動物と一緒に居られない状況が長
く続くのは、人にとっても本当は良くない状
況なのかもしれません。
 病状や治療の描写が生々しいので、それら
をグロテスクに思ってしまう人には向かない
のではないでしょうか。

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posted by 出雲一寸 at 15:09| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする