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2019年05月29日

読書録「妖キ庵夜話空蝉の少年」ほか

読書録「妖キ庵夜話空蝉の少年」4

著者 榎田ユウリ
出版 角川ホラー文庫

p207より引用
“ ー人生を変えるのは占いではありません。
占いは手助けをするだけ。相談窓口のひとつ
と考えて下さい。あるいは靴です。あなたの
人生を歩くのはあなた。あなたの前にはたく
さんの靴が並んでいます。私はある靴をご紹
介します。でもそれを……。
「履くかどうかはあなたの自由です。もっと
いい靴を見つけたって、もちろんいいんです
……」”

 人間と妖人を見分ける能力を持つ茶道家を
主人公とした、長編ミステリ小説。同社過去
刊行作、加筆修正文庫版。
 いっぱいに詰まったお菓子入りのコンビニ
袋を両手に下げて、家路を走る女性・スミレ。
エレベータを待つ時間すら惜しみ、自宅に飛
び込むなりお菓子をむさぼる…。

 上記の引用は、刑事・脇坂が占い師に占い
の有用性について聞いたことに対しての、占
い師の返答。
占いの結果通りに動くのではなく、数ある選
択肢の一つとして参考にする位で良いのかも
しれませんね。
 コテコテとした登場人物たちの中で、マメ
君が良い癒やしになっています。たまに毒づ
くのも愛嬌です。
主人公・洗足伊織の刑事・脇坂に対する態度
が、トゲを含みながらも穏やかになっていて、
コメディー要素が強く出ている感がありまし
た。

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読書録「さいえんす?」2

著者 東野圭吾
出版 角川文庫

p37より引用
“ 先日、小説取材のため、明治大学数学科
の増田教授にお会いしてきた。ミステリを書
くのになぜ数学の取材をしなければならない
のかと訊かれそうだが、登場人物の一人、し
かも極めて重要な人物が数学者という設定な
ので、その必要があったのだ。”

目次より抜粋引用
“疑似コミュニケーションの罠(1)
 科学技術はミステリを変えたか
 ツールの変遷と創作スタイル
 嫌な予感
 数学は何のため?”

 小説家である著者による、雑誌連載を収録
したエッセイ集。
 ネットでのコミュニケーションから本が出
来るまでについて、元エンジニアという視点
から書かれています。

 上記の引用は、数学の有用性について書か
れた話での一節。
「容疑者Xの献身」のことでしょうか、人が
人を思う気持ちが切ない良い作品でした。
 著者の小説は好きですが、エッセイは私に
は少し合わない感じがしました。少し堅いの
かも…。

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posted by 出雲一寸 at 19:01| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする